宣教題 :「私たちを支えるもの」 宣教: 川原﨑 晃 牧師
聖 書 : 1ペトロ1章1~2節
私たちは、ペトロや「各地に離散して仮住まいしている選ばれた人たち」と同じように、天の御国を目指して、人生を旅する者です。たとえ同じ場、同じ状況下 にあったとしても、過去を振り返りつつ、将来へと身を転じて踏み込んでいくのです。それを支えるものは何でしょうか。
1.主の恵み
この手紙は、迫害と苦難の中にある聖徒たちと諸教会に向けて書かれたものです。その内容を一言で表現すると、「この恵みにしっかり踏みとどまりなさい」(5章12節)とあるように、神の恵みにしっかり立つようにということです。
ペトロは、自分の身に与えられた主イエスの恵みを深く思わずにはおれませんでした。彼は、主イエスに従う道を踏み出しましたが(マタイ4章18~20 節)、主イエスの十字架を前にして、弱さと無理解ともろさを露呈しました(同26章69~75節)。そのようなペトロのために祈り、赦し、力づけ、回復さ せてくださったのは、復活の主イエスでした(ヨハネ21章15~19節)。
私たちも同様に、十字架の血によって罪を赦され、復活の主イエスに結ばれて神のものとされたのです。この主の恵みゆえに、主イエスに従い続けることが光栄ある歩みなのです。
2.主の愛の選び
主の弟子であったペトロは、「イエス・キリストの使徒」と自己紹介しています。彼は、主イエスと共に生活し、主イエスから直接訓練を受け、主イエスから 選ばれて任命を受け遣わされた人でした。同様に離散者にして寄留者であった聖徒たちも、選ばれて遣わされた人たちです。この選びは、主なる神が人をよく知 られた上で、愛によって「選ばれたのです」。
私たちは、主と共に歩み、御言葉によって教えを受けて導かれ、神の愛による選びをいただいて各々の持ち場に遣わされていることを忘れてはなりません。
主に従う者、また主に遣わされた者としての歩みは、今までの恵みと平和で足りるというのではありません。この恵みと平和が「ますます豊かに」注がれるように祈り願い求めながら、主の恵みと愛の選びの中を歩み続けるのです。