宣教:川原﨑 晃 牧師
聖書:ヨハネ16章33節 1ヨハネ5章5節
福音という言葉には、味のある響きがあります。福音は、誰もが聞かなければならないものです。そして、福音を聞いたなら、心を開いて受け入れ、福音に生きることが大切です。この福音の本体は、イエス・キリストご自身です。
1.「負けの味」を知り尽くしていてくださる
私たちが「世に勝つ」ことを願うのは、「世で苦難がある」中に、負ける経験を踏むからです。失敗する、負けるということは、挫折感や敗北感がつきまと い、恥をかいたり、面子もなくなったりします。誰も敗北者になることを好みません。さらに、強くなったら負けない、一生懸命やれば失敗しない、この信心を していたら不幸にならない、信仰をもったら苦しみはなくなるなどと考えがちです。
さて、キリストご自身が、地上の生活のスタートから十字架の死に至るまで、苦しみの連続でした。これを神の大失敗と言う人がいますが、キリストは、人が 経験する苦難や罪や死といったことを知り尽くしてくださったのです。そのような経験をする私たちのところに、キリストがおられるのです。
2.「勝ちの味」を経験してくださった
キリストの救いは、敗者復活の福音です。キリストが捕らえられて十字架に架けられて殺されてくださったお姿は、人の目には敗者としか映らなかったでしょ う。しかし、神の前に立つ私たちは、罪と不信仰の結果、当然神の怒りに触れて滅びへと向かう者でしかなかったのです(ルカ23章41節)。そんな私たちを 救うために、キリストは、苦しみと痛みと辱めのどん底から復活されて勝利者となられたのでした。このようにして、キリストは、勝ちの味を経験されたので す。
それは、私たちが苦難に勝ち、罪に勝ち、死に打ち勝つ勝利者とされるためでした。これは、「イエスが神の子であると信じる者」が与ることのできる勝利で す。それは、私たちがキリストに結ばれて生きるときに、キリストが勝利されたことを共に経験するのです。ここから、「勇気を出しなさい」との人生が始まる のです。