題 : 「恵みが輝く幸い」 宣教: 川原﨑 晃 牧師
聖書 : 詩編90編1~17節
モーセは、朝目覚めたときに、まず主の「慈しみに満ち足らせ」てくださいと祈っています。さらに、自分の人生に一日が加えられたことを感謝し、困難に遭っても主の最善がなされることを信じて、「生涯、喜び歌い、喜び祝わせてください」と願い求めています(14節)。それは、何をわきまえ、どんな幸いを告白する生涯なのでしょうか。
1.人間の限界を正しくわきまえる
この詩編には、人間の力の限界(3節)、人間の繁栄の限界(5~6節)、人間の秘密の限界(7~8節)、人間の齢の限界(9~10節)、人間と知恵の限界(12節)と語られています。そのほか私たちには、様々な限界をもっています。それらの限界をどう自覚し、どう考え、それらにどう対処していくかということが、その人の生き方を決定します。
ある人々は、そうした限界を無視した生き方をします。それは、個人だけでなく、社会の世相にも表れています。また、そうした限界に挑戦した生き方があります。それは、今日まで、さまざまな分野において発展をもたらしてきました。しかし、限界に挑戦することが、人間万能という錯覚と高慢にもつながってきました。
2.主に信頼して生きる幸いを告白する
モーセは、若い時には限界を無視し、限界に挑戦する生き方をしました。その彼が、自分の限界を知らされた上で、主に信頼して生きる幸いを告白しています(1~2節)。彼は、自分の生きることのできる日数が主に知られているという信頼をもって、主に祈りをささげています(12節a)。このように、人間のあらゆる限界を主は知っておられるということが、私たちを謙虚な信仰へと導くのです。そうした限界を知ればこそ、自分がどう生きればよいのか、その知恵を求め、また自分がなすべきことを確実に果たしていく力を求める姿勢が生まれるのです(12節b、17節b)。
こうした限界を越えさせるものは、実にイエス・キリストです。そこには、輝ける将来があるのです。