宣教題 : 「御子の福音」 宣教: 鎌野 直人 協力牧師
聖 書 : ローマ 1章1~7節
福音は「神は愛である」とまとめることができる。そして、御子を通して表された神の愛(3)が福音である。
1.約束の実現(2-3)
イスラエルの王ダビデに対して、主は、彼の王国と王座は永遠に絶えることはないと約束された(サムエル下7:12-16)。一時期、途絶えてしまっていたが、神はイエスを「ダビデの子孫から生まれ」させ、神の王国を再興し、ダビデへの約束を守られた。「肉によれば」(3)の「肉」はユダヤ人を指している。だから、イエスが王としての来臨は、ユダヤ人の父祖アブラハムへの神の約束の成就をも指している。さらに、世界の最初の人アダムがもたらした罪と死という問題に対する解決の実現でもある。このようにして、御子を通して、神が旧約聖書で既に約束されていたことが実現した(2)。このようにして、神は約束を必ず守るというご自身の愛を、御子を通してこの世界に示された。
2.新しい時代の始まり(4)
イエスがまことの王であることは、「死者の中からの復活によって」(4)究極的には明らかにされる。復活のゆえに、十字架を呪いのしるしと考えるとらえ方を変えざるを得ない。神の力によってあらゆる力に勝利し、死せるイエスのからだに聖霊がいのちを与えることによって実現した復活は、罪と死に死んでいた人間が神の霊によって新しいいのちに生きることのできる、新しい時代の到来を表している。このようにして神は新しい時代をもたらすというご自身の愛を御子の復活を通してこの世界に示された。
アラムとの戦いにおいて、エリシャの召使いは敵の多くの軍隊しか目に入らなかったが、エリシャは自分たちを取り囲む神の軍勢を同時に見た(列王下6:15-17)。ともすればろくでもない知らせに溢れる世界しか見ていない私たちはあの召使いのようだ。しかし、御子の福音は、御子を通して神の愛を私たちに見せてくれている。だからこそ、御子の福音という視点から、ろくでもない、しかしすばらしいこの世界を生きたい。