宣教題 : 「平和の王イエス」 宣教: 鎌野直人 協力牧師
聖 書 : イザヤ書 11章1節~9節
「地には平和」とクリスマスによく語られるのはイエスが平和の王だからである。
1.平和をもたらす王
大国が支配を広げ、小国は絶望せざるをえない時代。「私たちは切り倒された切り株に過ぎない」とユダの民は思った。しかし、ダビデの父であるエッサイにたとえられる切り株から若芽が伸びるとイザヤは語る。ダビデの子孫の王が誕生する(11:1)。主の霊によってその務めを全うする王には、善悪を判断し、国と民を導く知恵、主を畏れ敬うことに基づく知恵が溢れている(11:2)。正当なさばきと公平と真実をもって国を治める(11:4~5)。主のみこころにかなう統治をする王が誕生する。
2.来るべき平和の希望
弱肉強食の世界に平和の王国が誕生する(11:6~9)。喰う者が喰われるべき者を喰わず、毒をもって相手を傷つけるものがそれを行わず、異なるものが共に住むのにお互いを傷つけない。平和の王が国を治め、その統治によって「水が海を覆っているように大地が主を知る知識で満たされる」(11:9)からだ。世界は根本的に変わる。民も平和の民へと変えられる。
3.平和の希望に支えられて
平和の王イエスは二千年前に生まれた。しかし、平和はいまだに到来しておらず、弱肉強食の世界に私たちは生きている。平和の王国は単なる幻に過ぎないのか。ちがう。「希望の源である神が・・・聖霊の力によって希望に満ちあふれさせてくださる」(ローマ15:13)。イエスが平和を実現してくださるという希望に満たされ、主を畏れることを教える聖霊によって生きていく時、神は私たちを通して平和の王国を少しずつ実現していってくださる。イエスの再臨の時に平和の王国は実現する。人と人、国と国、そしてすべての被造物の間の平和がやがて世界に訪れる。だから、希望に生き、聖霊に押し出されて、私たちにできる平和のわざに参与しよう。