題 : 「すばらしい老後」 宣教: 川原﨑 晃 牧師
聖書 : 詩編 71編9節~19節
多くの人々が、「老い」ということについて明確な解答を持っていないために、深い悩みの中にいるように思われます。しかし、私たちは、老いることのすばらしさを知っています。
この詩編が語っているように、老いることの中に、神の救いの計画の遠大さがあるからです。
1.「老い」の現実を知る
初老の詩人は、自らが衰えていく力を嘆き(9節)、多くの災いと悩みを訴え(20節)、白髪になっても見捨てないでくださいと神に訴えています(18節)。彼は、肉体的に、精神的に、社会的に、以前には軽くこなせたことが難儀になり、周囲の評価や見方も昔のようでなくなったことを自覚しています。
そして、こうした現実に目をつぶるのではなく、意地を張ったり背伸びしたりするのでもなく、老いることは衰えることであると、謙虚に認めています。
この詩編には、こうした現実を知って、どんな時にも主なる神を信頼して生きることが歌われています(1節、5~6節)。大切なことは、「恵みの御業」を成し遂げてくださった主なる神が、絶えず担い、背負い、救い出してくださることに信頼し、任せていくことなのです(イザヤ46章4節)。
2.「老い」の使命を知る
年老いた人は、より積極的に、神の救いの恵みの偉大さを知り、神を崇めて賛美し(8節)、神に望みをおいて、後に続く人々に「絶えることなく」語り伝えています(15節)。このような生涯を送り続けるところに、老いた人の生き生きした使命があります。私たちに主の使命がある限り、私たちが地上で生きることを主が支え、主が守ってくださいます。
この使命に生きるに際しては、私たちは過去と現在だけを見ているのではなく、将来の確かな希望を仰いで生きる必要があります(20節)。永遠の今を導かれる神を信頼するのみです。
老いの現実を知り、老いの使命を知る生き方をすることによって、老いることもすばらしいことなのだということを、証ししていきたいものです。